栄養士からのお話

歯の健康と食生活

よく噛んで食事をする

よく噛んで食べると、唾液や消化液の分泌がふえて食物が消化されやすくなるので、胃腸は快調、便秘も防げます。
硬いものをよく噛むと、脳が刺激されて頭がよくなります。
さらに、よく噛めば顎が発達して歯並びがよくなり、虫歯の予防にもなり、話をする時にハッキリとした発音をする事ができます。
歯をくいしばって一瞬のうちに強い力を発揮する事もできます。

噛む回数をふやす
噛む回数が少ないと顎の骨が充分に発達しないので、歯のおさまるスペースが不足して歯並びが悪くなり、虫歯をはじめ、いろいろな病気の原因になります。
毎日の食事では、噛みごたえのある素材を活用したり、材料を大きく切ったり、加熱時間を短くして歯ごたえを残すなど、噛む回数が多くなるように工夫してみましょう。
カルシウムが歯を作る
カルシウムは、歯や骨を作る大切な栄養素です。
カルシウムが足りないと虫歯になりやすく、骨がもろくなるばかりでなく、血管の老化を早めて高血圧症や動脈硬化、ストレス等の原因にもなります。
カルシウムは魚などビタミンDを多く含む食品と組み合わせると吸収が良くなります。逆に加工食品などに含まれるリン酸塩は、吸収を妨げるので注意が必要です。
歯には葉を
葉を健康的でよい状態に保つには緑黄色野菜をはじめ、根菜や豆類など食物繊維をたくさん含む食品を食べる事が大切です。
食物繊維とは、消化酵素によって分解されず、胃や腸を素通りして排泄される食物成分です。
繊維質の多い食べ物は歯に付着しにくいので、虫歯の原因となる歯垢(細菌のかたまり)がつきにくく、歯槽膿漏の予防にも効果があります。
また、充分噛まなければ飲み込めないため、唾液の分泌が増進されて歯の洗浄作用にもなります。さらに、食物繊維は大腸ガンや動脈硬化、糖尿病などの成人病予防、肥満防止にも役立ちます。
体の健康が歯の健康
体の基本組織である筋肉は、たんぱく質で構成されています。
良質のたんぱく質を含む魚貝や肉、卵を充分にとることが必要です。
また、筋肉を働かせるエネルギーは、穀物や油脂などの炭水化物や脂肪から生まれます。さらに、こうした栄養素の働きを円滑にするビタミンや、繊維などのミネラルをとるには、野菜、海草、乳製品が欠かせません。健康な体とよい歯のためには、バランスのよい食事が大切です。